ハウスメーカーは技術の盗み合い【断熱工法の進化】

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いかなる業界でも需要・ユーザーが増加すると、必ず供給・企業が増える物です。さまざまな企業が進出してくるなかで、資本主義下での正しい供給、正しい競争であれば、品質が上がれば価格は下がっていくので、ユーザーにも大変良いことです。しかしその中には必ず、利益のみを追求した企業がいるのが現実なのです。まがい品、偽装などが良い例です。飛騨牛偽装事件や、某老舗料亭などの食品偽装事件は、みなさんも記憶に新しいところでしょう。建築業界・ハウスメーカー業界でも、同じようなことはたくさんあります。これは本当に大きな問題です。

 

 

盗まれてしまた【新しい断熱工法技術】

私がかかわっていたハウスメーカー業界でも、こうした悲しい事件が起きてしまいました。しかも、ハウスメーカー協会の会員で、仲間であったはずの一部の企業が、そういった心ない事態を起こしてしまったのです。私の社員を違法工事にかかわらせたこともあります。とあるハウスメーカーが開発した断熱工法において、認可のとれていないまがい品を使用し、利益を追求し始めたのです。新しい断熱工法開発時の私の会社は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。多くの工務店から、短期間でいいから社員を教育してほしいと依頼され、無料で社員を預かり経営ノウハウまでも伝授していました。よりユーザーに良いものを届けたい心で、工法を広めようとしていたのです。

 

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しかし、そうした行為が結果としてあだとなってしまいました。他社の社員を社内に入れることで、会社同士の交流が増え、社員の引き抜き等の行為が行われました。また情報がたくさん流失し、似たような住宅の販売が行われ始めたのです。もちろんそうした商品は、国土交通省の認定のない違法建築になってしまうものです。しかし、一般ユーザーには見分けがつくはずがありません。食品偽装と同じようなことが、建築業界・ハウスメーカー業界でも行われてしまったのです。

 

住宅の場合、偽装だけでは済みません。建築基準法違反となってしまい、火災保険に加入する際にも問題が出てしまう場合があります。新しい断熱工法は、45分間の耐火認定を国から受けています。その結果、大手保険会社から耐火性に優れた住宅として認められ、火災保険が通常の建物と比べて約25%安くなります。国土交通省の厳しい試験を、クリアした資材だから認められたのです。しかし類似品を使用して、耐火性能に問題ある住宅が建てられているのが現実なのですそういった、耐火性能の低い危険な家を、利益を追求するためだけに平気で販売している企業も今でもあるのです。人の生命や財産を奪ってしまうような家を、何食わぬ顔で建てているのです。中小企業の私たちが、やっとの思いで開発した新しい断熱工法を、自社の利益のためだけに悪用する企業が私は許せないのです。

 

 

新しい断熱工法の開発が会社をダメにした!!

ビジネスには「大、物、金」の3要素が必要だと言われます。しかし、多くの方は、そのうちの何一つも持っておらず、不安がつきまとう毎日を送っているのです。しかし、新しい断熱工法を開発したことで、多くのユーザーをはじめ、工務店・ハウスメーカーの支持を得て、自分がやってきたことは間違っていなかった、と不安を解消しました。この断熱工法の開発には、多くの情熱を注ぎ込みました。一般ユーザーでも購入しやすい金額で、メンテナンスがしやすく長持ちする家造りの最終形として、この工法にたどり着いたのです。この工法の売り上げが、伸びれば伸びるほど、先の建築偽装のような裏切りが多発しました。しかしこのことは、私のとった安易な行動により、起こるべくして起こったことだとも思い、深く反省しています。早く本物の家造りを広めたいという思いが強すぎたため、時間を気にしすぎていました。面談や哲学、ビジョンを語ることもしないで、頼ってくる工務店すべてを信じこみ、安易にノウハウを公開してしまったのが間違いのもとでした。また当時の私の社員が、そうした会社で違法行為に携わる工事をしてしまったのも、経営者時代に社員の心の教育をたった私のせいだと感じています。

 

また、こうした偽装行為は、同業者だけでなく他にも存在しました。当時、成長が著しかった私の会社は、株式公開を目指していました。監査法人も入れて上場の準備をしていました。やはり、そうした会社には、いろいろな人問が近寄ってきます。良い大もいれば、そうでない大もいます。根が単純で大を疑うことをあまり知らない私には、周りから言わせれば、後者が圧倒的に多かったようです。そんななかでも、一番ショックだったのは、銀行OBが経営する上場コンサルティング会社の社員と、大手保険会社に勤務し、税理士免許を持った営業マンの3人のグループに、数千万もの報酬をいろいろな方法で支払わされたことでした。実は私に株式公開を進めたのもこのグループです。私は、彼らの言うことをすべて信じて、会社の経理、経営状態すべてを赤裸々に話し、このグループから非常勤役員も招き入れました。彼らのおかげで売り上げは伸びましたが、そこには莫大なリべートを要求されたのです。また、掛け金数千万の保険に、上場コンサルティング会社から、上場のために必要だからと加入させられました。冷静に考えれば上場に生命保険とは、何ら関係ないと分かるはずなのに、ばかな私は、気づかずに加入してしまいました。

 

しかし、このような失態のすべては、CEOであるバカな私にあったのです。いろいろなことが起こり、精神的にかなりのダメージを受けたのでした。大好きだった仕事が嫌いになってしまい、夜も眠れない日々が何力月も続いたのです。とにかく、精神的にボロボロな状態でした。あまりにも多くの裏切りで、このハウスメーカー業界も嫌になり、業界とは、とにかくかかわりたくない気持ちでした。だたひたすら、姿を消したいという思いに駆られ、会社や社員を守れない精神状態になっていました。ちょうどそのころ、日本ではM&Aが全盛を極めていました。私の会社も多くの企業から、会社を譲ってほしいという依頼が殺到していました。当初、そうした話には、一切、聞く耳を立てませんでしたが、人間関係に疲れ切っていた私は、このままでは、会社も自分も駄目にしてしまうと判断し、とうとう売却を決意したのでした。全くアホな話です。