価格では分からない!!システムキッチン!!

システムキッチンの選び

 

 

システムキッチンつてどんなもの?

システムキッチンとは

 

「システムキッチン」という言葉を知らない方はいないでしょう。でも「システムキッチンつてどんなものですか」と問われた時、あなたはどう答えますか?キッチンスペシャリスト養成講座の受講生の方々に尋ねると、次のような答えがかえってきました。

 

ワークトップが1枚になっている(継ぎ目がない)
扉やワークトップがきれい
キャビネットの組み合わせが自由
機器がビルトインされている
収納がしっかりと確保できる
高価である

 

そしてこれらシステムキッチンの特徴は、6を除いておおむね「うれしいもの」として受け入れられているようです。

 

 

それでは各々についてさらに踏み込んで考えてみましょう。

 

ワークトップが1枚になっている

ワークトップが1枚で継ぎ囗がないことは、きれいなだけでなく,掃除もしやすく,これはうれしいことです.流し台の場合はすき間をアルミのテープなどで塞いでいましたものね.ただし,素材としての検討をする必要はあります。

 

扉やワークトップがきれい

扉やワークトップはキッチンのインテリア性を左右する大きな要素です。この選択の幅が広くなり、かつ高いインテリア性をもつキッチンの登場により、隅に追いやられていたキッチン(厨房)が、表舞台へと移り始めました。寒く暗く、嬉しくない場所のキッチンから脱出のチャンスを与えてくれたのはたいへんうれしいことです。しかし料理づくりをすれば汚れるということも考えましょう。「ピカピカの扉に油が飛び散ると困るな〜」、「くぼみのある扉に汚れがつくと困るな〜」、「この美しさを保つために、汚れる料理はやめよう」ということになっては残念です。またキッチンの美しさを保つために、多くの時間を費やすのもいかがかと思うのです。キッチンを磨くのが楽しいうちは、それもいいかもしれません。

 

キャビネットの組み合わせが自由

システムキッチンは多くのパーツで構成されています。レイアウトや寸法などを自由に組み合わせる「部材型」のタイプと、あらかじめ組み合わせの決まった「簡易施工型」のタイプがあります。組み合わせの白由度が高いシステムキッチンは、住空間や使う人に合わせることができるため、キッチン設計の意味が大きく生まれます。自由な設計によって使いやすく、片付けやすく、皆が楽しく料理をしてくれるなどプラスの意味を生み出すことが可能となります。しかし、反面、設計を誤ると、どうしようもなく使いにくいキッチンをつくってしまうことにもなります。例えば広い住まいの広いキッチンとはいえ、「どのキャビネットを・どこに・どの寸法関係で設計するといいか」というチェックを見落とすと、疲れるキッチンを設計してしまうことにもなるのです。

 

機器がビルトインされている

ガスコンロ周辺の掃除の大変さは誰もが体験することでしょう。ビルトインされるとすっきりとして掃除も楽になり、とてもうれしいことです。ビルトインタイプの機器として、熱源(ガス,電気)・オーブン・電子レンジ・食器洗い機・浄水器・アルカリイオン水器・冷蔵庫・炊飯器等があります。インテリア性、掃除等の楽さのみでなく、取替え、買い替えが生じた時のこと、使い勝手の検討を忘れてはいけません。キッチンより寿命が短いと考えられる機器の場合、買い替えが発生した時に次回もビルトインのサイズに合わせてうまくいくかどうかを考えておくことです。特にサイズに変更が生じやすい機器には要注意です。

 

収納がしっかりと確保できる

キッチンの不満として収納スペースが少ないことが挙げられます。システムキッチンには調理スペース以外に食器や食品等の収納パーツもあり、今までの流し台からあふれ出たものも収納してくれる設計ができるのです。「収納スペースが少ない」という意識が主となりすぎて、体積を多くとれば収納は解決できたと勘違いをする人がいます。収納スペースを多く計両しても手の届かない収納、出し入れしにくい収納、使う場所から離れたところの収納では、サッと使えなくて不便です。キッチンの収納で大切なのは、「使うところにとり出しやすく収めやすく」ということです。設計のしかたをよく考えないと、せっかく確保した収納スペースも役に立たないことになってしまいます。また、一見「これは便利」と思う収納パーツが提案され、流行することがありますが、流行に振り回されず、よくよく考えることが大切です。

 

高価である

部材型のシステムキッチンは一軒一軒に対応したプランニングをし、現場に合わせた施工をするために,高価です(プランがほぼ決められている簡易施工型のシステムキッチンは,価格的に安いものがありますが)、選択する素材(扉材・ワークトップ材等)や機器によりさらに高価になります。金額を高いとみるかどうかは意味と合わせて考える必要があります。後で述べるように「キッチンの変身によって、暮らしや人生が変わった」という人がたくさんいるのです。このような設計の内容とキッチンの機能の高さに支払った費用は、生きた金額ともいえそうです。ただ高級な扉材やインテリア性のみで高額となれば「システムキッチンは高い」かもしれません。システムキッチンの高さが表面的なところで終わらず、意味のあるキッチンであってほしいと思います。ただただ美しくて、豪華で、おしゃれで・・・のみに終わってほしくないのです.

 

 

疑問を感じるメーカーの商品提案

システムキッチンの闇

 

日本にシステムキッチンが登場したのは1970年代後半のことです。その後、日本のキッチンメーカーでは、扉の素材やデザインの美しさ、豪華さを競う、まさに「扉の競演」の時代がありました。各社とも「見た日で勝つ」ことに躍起になっていました。消費者においても扉の美しさ、豪華さに目を奪われ、よろこんで受け入れたのです。しかし、この美しさが生かされるにはどのようなキッチン設計が必要かということについての意識はあまりないのです。一方では、「かゆい所に手の川く」ような商品提案がされ、あっと驚くようなパーツも次々に開発されています。例えば「高い位置の吊り戸棚は手が届かない」という不満に答えて出てきた「電動昇降式の吊り戸棚」。手動で棚を上げ下げするタイプも出ています。手の川かない高い位置の吊り戸を有効に使えないものかと考えれば、このような方式が生まれるのでしょう。そして「これは有効だ」といえそうです。しかし、サッと料理をするキッチンを基本に考えればメインのパーツとして有効でしょうか。すぐに欲しいものははじめから手の届くところに収納する設計をするといいですね。その位置で本当に使いやすいのか、それがなければ解決できないのかも、検討する必要があります。

 

機器類も同じです。例えば上面に蓋がついている。上開き式のビルトイン食器洗い乾燥機。「ジンクから食器を入れやすい」、「かがまなくても出し入れができるから楽」ということでしょう。「欧米で使い続けられているフロントオープンタイプの食器洗い機は食器の出し入れがしにくいであろう、水もこぼれ落ちるであろう、水切りカゴのようにジンクの横にあればいいはずだ」。このように考える消費者や開発者がいるのでしょうか、それを受け入れる企業があり、新しい商品が生まれると喜んで取り入れる消費者がいるというシステフロントオープンタイプの食器洗い機は使いにくいでしょうか。でも考えてみてください.蓋の部分はワークトップの一部です。いろいろなものが上に載っていることが多く、食器洗い乾燥機に食器などを入れようとすると、上に載ったものを移動させなければなりません。また中のカゴは2段になっていますが、上のカゴを取り出さないと下のカゴに入ったものは出せないのです。洗う食器が少なく、ワークトップの上に物を置かない人にはとてもいいでしょう。部分だけを見ると便利のようでも、キッチン作業全体の流れの中で考えると不都合ということがあります。視野を広くし、物事を見ることが大切です。

 

キッチンリフォームの写真にはマジックがある

「キッチンをリフォームしたらこんなに素敵に!!」というようなチラシをよく見ませんか?改造前は古い流し台のついたキッチン。調理器具や家電製品があふれています。改造後はインテリア性の高いシステムキッチンが据え付けられ、キッチン全体がリッチな空間に大変身。キッチンを改造すればこんな素敵な暮らしができるのですと、見る人の夢をかき立てるようです。しかし、落ち着いてよく見てみましょう。確かにワークトップは1枚になった。扉やワークトップがきれい。機器がビルトインされている・・・と変身しているのですが、改造前のキッチンに写っていた炊飯器やポットはどこへ行ったのでしょうか?オーブンがビルトインされましたが、改造前のキャビネットに入っていたであろう鍋類や皿類はどこに入れるのでしょうか?改造後の写真はまだ生活がスタートしていない時点のようですが、ここで生活が展開された状態で写真に撮ったらどう写るのでしょうか?キッチンの作業や生活にプラスの要素はあるでしょうか?システムキッチンを入れさえすれば、キッチンが素敵に変身するとは限らないのです。リフォーム業者のチラシによくある「ビフォーアフター」の画像は鵜呑みにしてはいけません。

 

家族が住むことが前提の住宅なのに

古い木造の住宅が次々に建て替えられ、外見は立派なビルやマンション、オシャレな新築の戸建てに変身しています。新しくおしゃれな賃貸用のビルも次々と建てられています。さて、古い昔の住宅に比べ、どう変わっているのでしょうか?確かにすきま風も入らず、きれいでとても快適そうに見えます。しかし、悲しいことにキッチンを見ると、幅1,200mm〜1,800mmとずいぶん狭いものも多く見受けられます。炊飯器に電子レンジに卜−スターなど置けば、シンクの中にまな板を置いて料理をしなければならなくなるのではないでしょうか?あるいは電子レンジ台を買い足したり、ストック庫を置いたり、ゴミ箱が並んだりと、キッチン廻りは雑多な物置き場と化し料理を楽しむにはほど遠い空間となっている家庭も多くあります。家族が住む住宅でありながら、キッチンの扱われ方はこのような状況のものが多いのです。

 

また2000年に入った頃から、建築家が提案するおしゃれな「デザイナーズマンション」「デザイナーズ住宅」も多く登場し話題になっていますが、このようなマンションや住宅でも幅1,200mm程度のミニキッチンやモニュメント的なキッチンしか設計されていない例が見られます。シングルか共働きの夫婦が住み、その人達の生活は家に帰ったらワインを楽しんで寝るだけ、というシーンを想定しているのでしょうか?いくら賃貸だから、いくらデザイン優先だからとはいえ、設計者・販売者にも「料理のつくれるキッチン」をぜひお願いしたいものです?たとえ今は料理をしないという人が入居したとしても、「料理をつくる気にさせる」「つくろうと思えばしっかり作業ができる」プランにしていただきたいのです。